宿泊系不動産のXデー

墨田区の民泊・旅館業規制や、
大阪市の特区民泊新規受付停止など、

自治体ごとに
実質的に営業収益が極端に下がる
「採算が取れない可能性が高い」厳しい規制が、
今年以降、予定・実施されています。

このような
宿泊系不動産を取り巻く環境が大きく変わる転換点を、
「Xデー」と定義します。


ここで、
まず重要な前提を一つ共有させてください。

民泊や旅館業などの宿泊事業に関する許可は、
不動産に付随する権利ではなく、
特定の申請者(運営主体)に対して与えられる
行政許可です。

したがって、
不動産を売却しても、
その許可が新所有者に
自動的に承継されることはありません。


こうした前提のもとで規制が強化されると、
現在、例えば民泊事業用として不動産を保有している方は、

Xデー前に新所有者名義で民泊事業申請を行わない限り、
厳しい規制下での事業運営、
つまり収益性が極端に落ちる可能性が高い状態になります。

その結果、
買主がいなくなり、
資産替え(売却)そのものが難しくなる可能性があります。


また、これまで
一般的な不動産の低利回りを避け、
やや高利回り傾向にあった宿泊系不動産を購入してきた投資家についても、

規制内容の変化や、
今後は他の自治体にもXデーが広がるという見通しを踏まえ、
購入を見送るケースが増えることが想定されます。

実際に、
当社のお客様からも、
こうしたご相談が増えています。

事実、このXデーは、
一部の自治体に限った話ではなく、
今後、他の自治体へ次々と波及する可能性があります。


【では、物件所有者(売主)としては、どう動くべきでしょうか?】

Xデーをまたぐと、
収益性が落ち、
売却しにくくなる状況が生じます。

そのため、

・Xデー前に売却する
・Xデー前に申請を完了させる
・旧制度での価値を確定させる

といった判断は、
理屈としてはすぐに思いつくことでしょう。

しかし、
それを実際に決断し、
行動に移すことは決して容易ではありません。

例えば、
180日ルールに縛られる民泊ではなく、
いずれは年中営業できる旅館業に切り替えるつもりと考えながら、
実際には旅館業許可を先送りしている投資家の方も少なくありません。

その一方で、
環境変化を正しく捉え、
すでに具体的な事業戦略を実行に移している投資家も存在します。

当社には、
そうした具体的なご相談が寄せられています。

宿泊系事業を取り巻く環境は、
すでに大きく変わり始めています。


【では、買主としてはどう動くべきでしょうか?】

宿泊系不動産は、
一般的な不動産よりも高い利回りを期待して、
購入されてきました。

しかし、
厳しい規制が開始されると、
Xデー後に新規で取得する物件について、
旧制度と同じ収益性を期待することはできません。

買主の立場で合理的に考えると、

・Xデー前に旧制度で申請済みの物件
・すでに旧制度のもとで運営されている物件

に限られます。

ただし、
これらはいずれも、
取得すれば自動的に同じ運営が継続できるという意味ではなく、
新所有者として改めて申請や確認が前提となる点には、
注意が必要です。

それにもかかわらず、

「旅館業申請可能物件」
「今のうちなら大丈夫」

といった表現を用い、
あたかも許可が実際に取得できるかのように見せて、
今のうちに売り切ろうとする動きも見受けられます。

しかし、
Xデー前だから安全という単純な話ではありません。

表現の真偽や前提条件を見抜けなければ、
買主側も簡単に誤った判断をしてしまいます。


【最後に:売主様であれ買主様であれ、とにかく悪手に巻き込まれないことが重要です】

日本では過去、
平成初期のバブル崩壊やリーマンショック直前といった、
明らかに市場環境が悪化している局面において、
にわか仕込みの判断により、
大きな資産を失った投資家も少なくありません。

現在の宿泊系不動産市場も、
軽い判断が取り返しのつかない結果を招きかねない局面に、
入っています。

ご不安な点や判断に迷うことがあれば、
可能な限り、当社のプロフェッショナルがご支援いたします。

直近はご相談が増えているため、
数日お時間をいただく場合もありますが、
一件一件、責任をもって対応いたします。

当社が、
自社の利益を優先しない対応を続けていることについては、
これまでお付き合いのある投資家の皆様であれば、
すでにご理解いただいていることと思います。

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